V 個数合計・端数処理 

関数名

関     数     の     機     能

個数計算

 
COUNT 指定された範囲に含まれる数値の個数を算出
COUNTA 指定された範囲に含まれる空白でないセルの個数を算出
COUNTBLANK 指定された範囲に含まれる空白セルの個数を算出
COUNTIF 指定された範囲に含まれる空白でないセルのうち、検索条件に一致するセルの個数を算出
DCOUNT データベースの指定されたフィールド(列)を検索し、条件を満たすレコード(行)のうち、数値が入力されているセルの個数を算出
DCOUNTA データベースの指定されたフィールド(列)を検索し、条件を満たすレコード(行のうち、数値が入力されているセルの個数を算出)

端数計算

 
CEILING 指定された基準値の倍数のうち、0 から遠い方の値を返す(指定桁で数値を切り上げる)
FLOOR 指定された基準値の倍数のうち、0 に近い方の値を返す(指定桁で数値を切り捨てる)
INT 数値を最も近い整数に切リ捨てる
TRUNK 数値 の小数部を切り捨てて、整数または指定した桁数に変換する
ROUND 数値を四捨五入して指定された桁数に変換
ROUNDDOWN 数値を切り捨てて指定された桁数に変換
ROUNDUP 数値を切り上げて指定された桁数に変換
EVEN 数値を切り上げて最も近い偶数に変換
ODD 数値を切リ上げて、最も近い奇数に変換

   

V-1 COUNT関数

機 能 引数(指定した範囲)に含まれる数値の個数を算出
書 式 COUNT(値1,値2,...)
説 明 引数リストの各項目には、数値、名前、配列、またはセル参照を指定できる。項目にセル参照を指定すると、その範囲内で数値が入力されているセルの個数を調べることができる。
値1, 値2, ...   任意のデータ型を使用し、任意の値、あるいは値を含む名前、配列、またはセル参照を指定。
引数は 1 〜 30 個まで指定できる。ただし、計算の対象となるのは数値だけである。
引数が配列またはセル参照である場合は、その中に含まれる数値だけが計算の対象となり、空白セル、論理値、文字列、エラー値は無視される。論理値、文字列、またはエラー値の個数を調べるには、COUNTA 関数を使用する。

[実例1]:数値の個数を求める
 
[セルA11の式]
 
=COUNT(A2:A8)
[式の意味]
 
セルA2からセルA8の範囲内の数値の個数を求める。
 ●セルA2の「123」とセルA8の「35.79」は数値であるので計算対象
 ●セルA3の「2001/1/1」は日付であるが、日付は機械内部では「1900年1月1日」を1として日数分を加えた数値(シリアル値)として認識しているため、「2001/1/1」は36892という数値で表され、COUNT関数の計算対象となる。
 ●セルA7の「052」は数値を表す文字列であるので計算対象外
 ●セルA4の「ABC」は文字列であるので計算対象外
 ●セルA5はNULL(値がないこと)であるので計算対象外
 ●セルA6の「TRUE」は論理値であるので計算対象外
 

V-2 COUNTA関数

機 能 引数(指定した範囲)に含まれる空白でないセルの個数を算出
書 式 COUNTA(値1,値2,...)
説 明 引数リストの各項目には、値、名前、配列、またはセル参照を指定できる。項目にセル参照を指定すると、その範囲内でデータが入力されているセルの個数を調べることができる。ただし、セル参照に空白セルが含まれる場合は、その空白セルは個数には数えない。
値1, 値2, ...  値、あるいは値を含む名前、配列、またはセル参照を指定する。引数は 1 〜 30 個まで指定できる。
COUNTA 関数では、空白文字列 ("") を含め、すべてのデータ型の値が計算の対象となる。ただし、空白セル(NULL)だけは計算の対象とならない。論理値、文字列、またはエラー値を計算する必要がない場合は、COUNT 関数を使用する。

[実例1]:空白でないセルの個数を求める
 
[セルA11の式]
 
=COUNTA(A2:A8)
[式の意味] 
 セルA2からセルA8の範囲内の空白でないセルの個数を求める。
セルA5以外は空白でないので計算対象。
セルA5は空白なので計算対象外。








V-3 COUNTBLANK関数

機 能 指定された範囲に含まれる空白セルの個数を算出
書 式 COUNTBLANK(範囲)
説 明 範囲 空白セルの個数を求めるセル範囲を指定する。
空白文字列 ("") を返す数式が入力されているセルも計算の対象となる。ただし、数値の 0 を含むセルは計算の対象とならない。

[実例1]:空白のセルの個数を求める


[セルA11の式]
 
=COUNTBLANK(A2:A8)
[式の意味] 
 セルA2からセルA8の範囲内の空白セルの個数を求める。
セルA5以外は空白でないので計算対象外。
セルA5は空白なので計算対象。
セルA8は0であるが空白でないので計算対象外。




 

V-4 COUNTIF

機 能 指定された範囲に含まれる空白でないセルのうち、検索条件に一致するセルの個数を算出。
書 式 COUNTIF(範囲,検索条件)
説 明 範囲 セルの個数を求めるセル範囲を指定する。
検索条件 計算の対象となるセルを定義する条件を、数値、式、または文字列で指定する。式および文字列を指定する場合は、">50"、"VBA" のように、半角のダブル クォーテーション (") で囲む必要がある。

[実例1]:50点以上の点数の人数を求める


[セルA9の式]
 
=COUNTIF(C2:C6,">=50")
[式の意味] 
 セルC2からセルC6までの範囲で50以上の値の個数を求める。
  C2:C6   
範囲
  ">=50"  
検索条件 




[検索条件が2項目以上あるときのデータ集計方法(配列数式)]
  COUNTIF関数は、検索条件が1つしか指定できないが、「配列数式」を利用すると7項目までの検索条件を指定することができる。

[実例2]:性別が「女」、点数が50点以上の人数


[セルA9の式]
 
{=COUNT(IF(B2:B6="女",IF(C2:C6>=50,C2:C6)))}
[式の意味] 
 性別欄が「女」であり、かつ、「点数」欄が50以上のセルの個数を求める。
 IF(B2:B6="女"  
検索条件と範囲(性別が「女」)
 IF(C2:C6>=50   検索条件と範囲(点数が「50以上」
 C2:C6      計算範囲

 配列数式の書式は、結果を求める関数に続いて「検索範囲と条件」の式を必要分指定して、最後のIF文の中に計算範囲を指定する。
 「=」以降の式を入力した後、CtrlキーとShiftキーとEnterキーを同時に押すと両側に{ }が入力される。
配列数式を修正したときは、入力後、CtrlキーとShiftキーとEnterキーを同時に押す。
 

V-5 DCOUNT関数、DCOUNTA関数

機 能 データベースの指定されたフィールド列を検索し、条件を満たすレコードのうち、
  DCOUNT関数   数値が入力されているセルの個数を算出
  DCOUNTA関数   空白でないセルの個数を算出
書 式 DCOUNT(データベース範囲,フィールド,条件範囲)
DCOUNTA(データベース範囲,フィールド,条件範囲)
説 明 データベース範囲は、リストまたはデータベースを構成するセル範囲を指定する。データベース範囲は、行 (レコード) と列 (フィールド)にデータを関連付けたリストである。リストの先頭の行には、各列のラベル(項目名)がある必要がある。
フィールドは、 関数の中で計算する列を指定する。フィールド には、列項目名(半角のダブル クォーテーション (") で囲む)を指定する方法と、リストでの列の位置を示す番号、例えば、先頭の列を示す場合は 1 、2 番目の列を示す場合は 2 を指定する方法がある。 
条件範囲は、指定した検索条件が設定されているセル範囲を指定する。列ラベルと検索条件を指定するセルが少なくとも 1 つずつ含まれている場合は、条件範囲 に任意のセル範囲を指定することができる。


 
検索条件式の指定方法
同じ行の列と列の関係は、AND条件(〜かつ〜)となる。
同じ列の行と行の関係は、OR条件(〜または〜)となる。
項目名が「年齢」で、20歳以上40歳未満のように、ある項目のデータ範囲を求めるには、左図の項目名1、項目名2の項目名をそれぞれ「年齢」とし、項目名1の下に「>=20」を、項目名2の下に「<40」を入力する。
データベース関数は、計算内容が異なるのみで、書式はどれも同じである。


[実例1]:品名が「A」で、かつ、単価が1,500円以下の商品の件数を合計する

[セルD9の式・・・DCOUNT関数による個数計算]
 
=DCOUNT($A$1:$A$6,"金額",$A$8:$B$9)
 
又は
  =DCOUNT($A$1:$A$6,4,$A$8:$B$9)
  上の式はフィールドを「項目名」で指定し、下の式はフィールドをフィールド番号(リストの左端列を 1 として何番目に項目列があるかを示す数字)で指定した。結果は同じ。
[式の意味] 
  $A$1:$A$6  データベース範囲
  "金額"   
フィールド
  $A$8:$B$9 条件範囲

品名が「A」、単価が1,500円以下に該当するデータは、2件存在する。しかし、件数合計の対象範囲が「金額」欄であるため、文字列が入力されているセルD6はカウントされない(DCOUNT関数は、数値が入力されているセルの個数のみ算出する。)。したがって、結果は 1 となる。

[セルD10の式・・・DCOUNTA関数による個数計算]
 
=DCOUNTA($A$1:$A$6,"金額",$A$8:$B$9)
[式の意味] 
  $A$1:$A$6  データベース範囲
  "金額"   
フィールド
  $A$8:$B$9 条件範囲
品名が「A」、単価が1,500円以下
に該当するデータは、2件存在する。DCOUNTA関数は、空白セルでないセルの個数を算出するので、件数合計対象範囲の「金額」欄セルD6が文字列であってもカウントする。したがって、結果は 2 となる。
 

V-6 CEILING関数、FLOOR関数

機 能 CEILING関数  指定された基準値の倍数のうち、0 から遠い方の値を返す(指定桁で数値を切り上げる)
FLOOR関数 指定された基準値の倍数のうち、0 に近い方の値を返す(指定桁で数値を切り捨てる)
書 式 CEILING(数値,基準値)
FLOOR(数値,基準値)
説 明 数値 丸める数値を指定する。
基準値 倍数の基準となる数値を指定する。
引数に数値以外の値を指定すると、エラー値 #VALUE! が返される。数値 と 基準値 の符号が異なる場合、エラー値 #NUM! が返される。

[実例1]:指定した数値の倍数して端数を切り上げ又は切り捨てて数値を丸める

[セルC2の式]
 
=CEILING(A2,10)
[式の意味] 
  10未満を切り上げる(10の倍数にして端数を切り上げる)
A2 
数値
10 基準値


[セルC5の式]
 
=FLOOR(A5,10)
[式の意味] 
  10未満を切り捨てる(10の倍数にして端数を切り捨てる)
 A5  
数値
 10   基準値
 

V-7  INT関数、TRUNK関数

機 能 INT関数 数値を超えない最大の整数を返す。(小数点以下を切り捨てる)
TRUNC関数 数値 の小数部を切り捨てて、整数または指定した桁数に変換する
書 式 INT(数値)・・・数値 整数に丸める実数を指定する。
TRUNC(数値,桁数)・・・数値→小数部を切り捨てる数値を指定。桁数→切り捨て後の桁数を指定。桁数の既定値は 0 (ゼロ) 。
説 明 TRUNC関数INT関数は整数を返すという点で似ているが、TRUNC関数が 数値の小数部を単純に切り捨てるだけであるのに対し、INT関数は 数値の小数部の値に基づいて、数値を最も近い整数として切り捨てる。
INT関数TRUNC関数の働きの違いは、数値が負の数であるときにだけ現れる。

[実例1]:数値の小数点以下を切り捨てる

[セルB2の式]
 
=INT(A2)
[式の意味] 
  セルA2の小数点以下を切り捨てる。

マイナス数値の場合は最も近い整数として切り捨て

[実例2]:指定した桁数で数値を切り捨てる

 
[セルB2の式]
 
=TRUNC(A2,0)
[式の意味] 
  セルA2の小数点以下を切り捨てる。(マイナス数値の場合も単純に数値を切り捨てる)
 A2  
数値
 
0    桁数 
 

V-8  ROUND関数、ROUNDDOWN関数、ROUNDUP関数

機 能 ROUND関数 数値を四捨五入して指定された桁数に変換
ROUNDDOWN関数 数値を切り捨てて指定された桁数に変換
ROUNDUP関数 数値を切り上げて指定された桁数に変換
書 式 ROUND(数値,桁数)
ROUNDDOWN(数値,桁数)
ROUNDUP(数値,桁数)
説 明 桁数 に正の数を指定すると、数値 は小数点の右 (小数点以下) の指定した桁に四捨五入・切捨て・切上げが行われる。
桁数 に 0(ゼロ) を指定するか、または省略すると、数値 は最も近い整数に四捨五入・切捨て・切上げが行われる。
桁数 に負の数を指定すると、数値 は小数点の左 (整数部分) の指定した桁に四捨五入・切捨て・切上げが行われる。

[実例1]:指定した桁数で数値を切り捨てる

[セルC2の式]
 
=ROUND(A2,0)
[式の意味]
 セルA2の小数点以下(1位未満)を四捨五入。 
 A2 数値
 
0  桁数

[セルC6の式]
 
=ROUNDDOUN(A6,0)
[式の意味]
 セルA6の小数点以下(1位未満)を切り捨て。 
 A6  数値
 
0   桁数

[セルC10の式]
 
=ROUNDDOUN(A10,0)
[式の意味]
 セルA10の小数点以下(1位未満)を切り上げ。
 A10  数値
 
0 桁数

 

V-9  EVEN関数、ODD関数

機 能 EVEN関数→数値を切り上げて最も近い偶数に変換
ODD関数→数値を切リ上げて、最も近い奇数に変換
書 式 EVEN(数値)
ODD(数値)
説 明 数値 切り上げの対象となる数値を指定する。
数値 に数値以外の値を指定すると、エラー値 #VALUE! が返される。
数値 の符号に関係なく、切り上げられた値の絶対値は、数値 より大きくなる。

[実例1]:数値を切り上げて、偶数又は奇数の数値に変換する


[セルB2の式]
 
=EVEN(A2)
[式の意味] 
   数値を切り上げて偶数に変換


 
[セルB4の式]
   
=ODD(A4)
 
[式の意味] 
   数値を切り上げて奇数に変換


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